まぐろ漁船日記⑦(2000年当時)

港にて

♂月♀日 曇りのち晴れ

とある日

港を鼻唄まじりで
歩いていると

インドネシア人の大群が(10~12人)
前方から歩いてきました。

そしていつの間にか
私の周りを取り囲み

私をじろじろ見ています

(何だ??この状況は・・
犯罪の匂いがプンプンするな・・。
私をリンチする気か!?)

などと考えつつも
様子を伺っていると

一人の男が口を開いて一言。

「コンバン一緒ニ、
飲ミニ行キマセンカ?」

・?・・?
・・?
・・・??・?

かなり戸惑いつつも

ここで臆しては
日本男児の名折れと思い
勝手に日本代表を背負い
相手の申し出を受けたわでけす。

そして連れて行かれたのは
港外れの外国人BAR

外国人BAR

女の子は
・タイ人
・韓国人
・カンボジア人

等々がおります。
20人位居る中で
日本人は私ひとり。

孤軍奮闘かと思いきや

なんとまあ
意気投合して

楽しく飲んで
皆でカラオケを大合唱して
帰ったんです。

しかし後日談。。

私を誘ったインドネシア人のウピィ君
なんとタイ人の女の子に
恋をしておりました。

恋の手助け

そして、プレゼントを渡したいから
一緒に選んでほしいと。

なるほど
なるほど

ピュアやね
初々しいね

などと思いながら

協力を承諾し
いざプレゼント選びへ

プレゼントを買いに

着いたのは
港のくたびれた玩具屋さん。
しかしプレゼント選びと言っても
私も女性の気持ちに敏感な方ではないので
何を選んでいいのか全く分かりません。

仕方なく
友達の女の子に電話し
(当時は、たれパンダが流行っていたので)
これかなぁ~
などと思いつつ
色々話を聞きながら

ふと後ろを見ると

彼はすでにプレゼントを選び
レジへ持って行ってました。
しかも、全然可愛くない
リアルな猿のぬいぐるみを持って・・

(どうしてそれを選んだんだろう・・
 ワシに相談した意味ないやん・・)

などと思いながら

焦っていると
更に頼みごとを

ラブレターの代筆

日本語が書けないので
私にラブレターを書いてほしいとのこと。
(タイ人とインドネシア人なので
 両者は日本語が共通語のよう)

ううむ。まあいいかと思い承諾し
内容を尋ねると
内容も考えてほしいという。

という訳で

インドネシア人の彼と
タイ人の彼女為に
私はラブレターを書くことになったのです。
もちろん、バレないように左手で
書きました。

そしてそれを
彼女の寮に置きに行き

ミッション終了です。

その後

あれから二人は
どうなったんでしょうか。
港を離れたので
その後は分かりません。

私のラブレターは
タイ人の彼女の心を動かすことが
できたのでしょうか。

二人は幸せになれたのでしょうか。

私は生まれてから
一度もラブレターを
書いたことがありません。

それが生涯ただ一つのラブレターです。

でももう二度と
書くことはないでしょうね

これから先も。ずっと。

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