朝6:00過ぎ
ドゴンッ!!
隣から大きな音が鳴った(何かが落ちたような)
昨日きた、おじいちゃんのベッドだ!
思わず「大丈夫ですか!」とカーテン越しに声をかけるも「だ、だいじょうぶ…です…」と弱い声。
一瞬、間をおいて考えるも
思わず松葉杖をついて、隣を見に行くと
おじいちゃんがベッドから落ちて、起き上がれずにいた…。
絡まる点滴の管。落ちたおじいちゃんは、布団に埋もれながら床にいた。
咄嗟に廊下に出て「すみませんー!!」と叫ぶも、誰も居ない。
それを聞いた、背骨折りのトラック運ちゃんが、ナースコールを押してくれた。
(そうだ!ナースコールを押せば良かったんだ‥)
咄嗟にでる行動が、直線的すぎるのが、自分の欠点だと反省しつつ。看護師さんを待った。
看護師さんは、すぐに来て処置を始め。おじいちゃんはどうやら、詰め所近くの目の行き届く場所に移ることになりそうだ。
そのやり取りを聞きながら
昔、拘置所でも同じような事があったのを、ふと思い出した。
眼鏡のおじいちゃんが入所してきた。おそらく罪状は交通系だったと思う。
そして、次の日か、その次の日くらいに、急に熱を出したんだ。しんどそうだ。。
思わず、看守さんを呼び、医務室へ連れてってもらった。
しばらくして、少し回復して戻ってきた
おじいちゃん。
だが、何時間か後に、また苦しみだした。
イカンと思い、また看守さんを呼ぶも
仮病を疑い相手にしてくれない。
(まあ、ここに居る時点で、犯罪者の確率が高いからな‥、でも罪が決まるまでは、推定無罪だから!)
そんなやり取りを2、3度繰り返したが、結局相手にはしてくれない。
そうしてるうちに
みるみる顔が蒼白くなって、息が弱まるおじいちゃん…。
(ブチッ!)
イラッとした俺は、房の鉄の扉を思いっきり蹴り叩きまくった。何度も何度もうるさいくらい。
そしたら、房内の仲間もどんどん叩きだきて、ちょっとした音楽団みたいになった。(俺以外、おそらく全員犯罪者のくせに!)
慌てた看守が来て、ようやく話を信じて、おじいちゃんを連れてった。
そして、おじいちゃんは、二度と戻って来なかった。
しかし、その時も激昂した俺は、看守に暴言を吐いていたと思う。「何回も言ってたやろが!ふざけんな!!」と
感情が直情的すぎる。。
看守を敵に回しても、得なんか何一つないのに…。
これでは、「三国志」とか「信長の野望」の、武力ちょっとあるけど、知力低いやつ(武将)みたいだ。。
これが欠点。もっと冷静に感情をコントロールできる様にならないと。
だから、みんな酔った俺を見ると驚くが、もともとがそんな粗野な人間なんだよ。
頑張って社会に適応しようとしてるだけだから!!
だから、素面の俺を見て、変な期待はしないこと。
いいか!
約束な!!
そういえば、マグロ漁船の時も、おじいちゃんと色々あったな。。
俺もいつか助けられる側になるのかな?
武士は相身互い。
でも、助けられるの嫌だなぁ。。
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